サクラてんぐ巣病の症状



サクラてんぐ巣病の症状は、枝の一部から小枝を多数発生し、この小枝が竹箒状、いわゆる天狗の巣状となる症状です。この部分にはほとんど花蕾を付けず、枝は数年で枯死します。枯死部から木材腐朽菌が侵入して枝や幹にまで腐朽が進み、樹勢が衰弱していきます。てんぐ巣病の症状は1年で明瞭に確認できるほど顕著になるものもではなく、2年から3年を経て、明瞭になってきます。(○印がてんぐ巣病 罹病枝)



☆1年目: 少数の小枝どうしが絡み合うような小さな症状
☆2年目: 枝が疎に絡み合ったサッカーボールより小さい鳥かご状や使い込んだ竹箒状の症状被害を受けた枝は、この時期で既に花蕾は極端に少なく、花より先に小さな葉が展開します。葉が展開する前に開花するソメイヨシノの特徴とかなり異なった、違和感を伴う症状となります。
☆3年目: サッカーボール内外の鳥かご状や竹箒状の症状被害を受けた枝の基部に瘤が明瞭に確認できる場合もあります。
☆4〜5年目: てんぐ巣病のために重くなることもあり、被害部が下垂し、やがて枯死します。

てんぐ巣病を放置しますと、1本の木に数十の鳥かご状や竹箒状被害部が目立つようになり、樹勢の衰えや花付きの悪さのほかにサクラの形体として異常なものになります。


サクラてんぐ巣病の病原菌

病原菌はカビ、キノコが主役となる菌類のうち、子のう菌類のタフリナ菌(Taphrina)です。菌類は栄養体の菌糸と繁殖体の胞子で被害を拡大します。


サクラてんぐ巣病の防除方法



防除方法は何よりも早期に被害部の除去をすることです。特に被害を受けた枝の元に瘤が発生しているような場合は、この瘤より下で枝を除去します。また、太い枝や幹そのものに被害が発生している場合は、除去跡が大きくなるため殺菌剤を塗布します。防除の時期はサクラの落葉期間、休眠期とし、他の木材腐朽菌の被害も受けにくい12月から2月が適期となります。初期症状は班別しづらい場合もあり、3年程度除去作業を継続します。(写真は除去作業の様子)

大切なサクラ。とりわけ身近に大変多く、永く親しんできたソメイヨシノをてんぐ巣病から守り、末永く愉しみたいものです。